笹川病院の思い出

笹川病院は、昭和53年12月に早期の社会復帰と地域との触れ合いを基本に建てられた病院です。そのためサークル活動や園内外活動が活発に行われ生活指導にも力を入れた病院でした。
 
入社二年目の私は栄養士として配属されました。まだまだ新米の私は、新しい病院の栄養科をドーンと任された不安で胸がいっぱいでした。
 
新しい病院でのスタートは、今では当たり前ですが、全職種が連携するチーム医療で、一つの目標に向かい栄養管理を担当していく充実感がありました。そんな中での引っ越しはとても思い出に残っています。
 
本来なら食器や器具類・食材など事前に移動しておく予定でしたが、当日朝、バタバタと軽トラックに食器や鍋釜それに米、食材を積んで「いざ病院目指して出発!」と慌ただしい引っ越しとなってしまいました(汗)
 
到着後すぐに食事の準備。1日目の最初はおにぎりでした。調理作業をしてみると、厨房がコンパクトで動線が良くとても作業しやすい環境に感激しました。
 
病棟はすべてオープン方式で「閉鎖的な精神科のイメージとは違うな〜」と衝撃を受けたことを思い出します。
又、毎日お弁当持参で就労に行く患者様もおり、イキイキと新しい環境の中で過ごしていたと思います。広い中庭があり、患者様はよくバレーボールやゲートボールをしていました。裏山では椎茸の栽培、病院の前の畑では四季折々の野菜を作り、収穫祭や芋煮会などが行なわれていました。
 
平成14年に閉院となりましたが、跡地には退院支援のグループホームが建設され現在でも退院後の生活サポートの場として活用されています。
 
栄養グループ 吉田恵美子